両俣-中白峰沢ノ頭-北岳-右俣-大樺沢二俣-広河原
10/21(土)
芦安駐車場から一番のバスで広河原へ。そして暫く待ってから北沢峠行きの市営バスに乗り換えた。野呂川出合で降りたのはおいらだけ。
天気はとってもいい。雲が一つも無い。レッツゴー !!
バス停のすぐそばにゲートがある。ここから「治山工事用林道」に入ります。熊出没注意の張り紙がしてある。クマ鈴を鳴らしながら歩いたよ。
林道ではだれにも会わなかったけど、何箇所も大掛かりな工事で直してあった。それでも落石や路肩の崩れがあちこちにあって、こういう道を維持するのは大変だろうなーと思うよ。
2時間くらい歩くと、有名な「両俣小屋まであと43分17秒」の看板。あと一頑張り!
林道はほとんどアップダウンが無いので疲れないけど、登山靴だときっと辛いよ。
林道のどん突きで道が二つに分かれる。左の方の下り坂を行くと、野呂川の河原に出る。そこから暫く川沿いを歩くと、やっと両俣小屋に着いた。
両俣小屋!有名な女主人のおばちゃんがせっせとお掃除をしてた。
この1週間誰も泊まってないんだって。ちょっと羨ましい人生だナ。
この付近はとても雰囲気がいいので、テントでのんびりするのもいいかも。
ここでサンダルから登山靴に履き替えて、トイレを借りて一休みしてから再出発!
左俣沢の河原をひたすら遡っていく。赤ペンキがこまめについてるけど、ボーっと歩いてるとすぐコースを見失いそうになるので、ちゃんと集中して歩いた。6箇所くらい川を渡ったな。水量が減ってる時期なので、たいていは飛び石伝いに渡れたけど、2箇所靴を脱いでジャブジャブ渡った。水がちべたかった。
コースタイムを30分くらいオーバーしてやっと「中白峰沢ノ頭取付点」に到着。ヤレヤレ。
そして、恐れていた通りいきなり崖のような急登が始まった。
もうね、本当に大変だったよ。取付点の標高が2000m位で広河原より高いから、距離を稼げるかな?って思ったけど、かえって大変だったと思う。空気が薄くてすごく苦しかった。
登山道は、多分以前結構気合を入れて整備をした形跡がある。あちこち木の階段や土砂止めがされていて、立派な道標が何本も立っている。
でも!でもね、それらの工事が殆どなぎ倒されちゃってるんだよ。
地形的に荒れやすいんだろうな。登山道を維持するためには斜面が急すぎるのかもしれない。おまけに、殆ど人が歩かないから、崩れたところが不安定のままで、さらに崩れを助長している感じ。
とゆうわけで、とにかく必死に登ったけど、ここを下りには使いたくないと切実に思った。マジ、地獄のように辛かった。時々道がわかりにくくなるので、ちゃんと集中して登らないとダメだったし。
今日は道が乾いていたのが幸いしたかな。濡れてたりしたら最悪じゃ。
コースタイムを30分以上オーバーして、やっとこさっとこ中白峰沢ノ頭側の尾根にたどり着いた。
ここが、中白峰沢ノ頭から北岳への尾根道。この道はすっごく気持ちよかった。
左に千丈ヶ岳と甲斐駒が見えて、右には中白根山や間ノ岳が見える。鼻歌でも歌いたいところだったけど、すっかり消耗しちゃってへろへろになりながら歩いた。
肩ノ小屋と北岳山頂の間の道との分岐に到着。ここには何本も道標やケルンが立ってます。
何と、両俣小屋のおばちゃんに会ってからここまで、全く人に会わなかった。
既に時間は3時半を回ってる。さ、おやつだけ持って、山頂に行こうっと。
ヤッホー!北岳山頂だよ!
いい天気で、だーれもいません!気持ちいーい!
左の写真は、山頂の三角点。100年以上経って壊れてきたので、今年の7月に 付け替えられたばかり。
実は、オイラ、偶然、7月8日の三角点付け替えの日にも登ってたんだ。
こっちの写真がそのときの写真。写っているのは国土地理院の人たちだと思う。右端には衛星とGPSで位置決めをするための柱のような装置。このときの山日記は、また改めて後日アップするよ。
山頂ではおやつを食べたりしてちょっと一休みして、すぐ肩ノ小屋へ向かった。もう時間が遅いからね。
さっきの分岐で荷物を背負いなおして、小屋に着いたのが4時半頃。寝具無し素泊まり3000円也。
小屋は丁度いい感じに賑わっていて、何かホッとした。あと、素泊まり用の小屋じゃなくて、ストーブのあるみんなと一緒の小屋のほうに場所をつくってくれた。ありがとー!
この日の宿泊客は2~30人くらい。若い人たちが多かった感じ。ギャル10人くらいのチームがいて、夕焼けに感動していて可愛かった。あと、何かカッコいいお兄ちゃん2人組とか、今どきカップル風がいたりして、何か不思議な感じ。自炊の人も多かった。
夜は、奇跡的にいびきのでかい人が一人もいなくて、みんなスヤスヤと平和に寝てた。
夜中は強い風の音がしてたけど、朝には風が止んでました。
10/22(日)
天気はすっごくいいし、朝から暖かくてとても乾燥していた。そのせいか、夜明け前でも草に露が殆ど降りていなかった。こんなことってあるんだね。
早めのバスに乗りたいので、6時過ぎに出発!下りは右俣~大樺沢の平和コースを辿って広河原に降りるのだ。
小太郎尾根分岐への尾根道はとっても気持ちよかったし、右俣コースのくだりも、木の葉がすっかり落ちていたせいで日当たりが良くて景色も良くてずっと楽しく降りることが出来た。
昨日の地獄のような急登とは真逆の感じ。
右俣コースの半ば、2000m位のところの広々したエリア。多分冬は雪崩の巣。
見て!この真っ青な空!ほんとーにほんとーに気持ちがいいのだ!
大樺沢上部にわずかに残っている雪渓。
11月に入ったら、雪のシーズン。多分北岳から完全に雪が無くなる時期は無いんだろうな。
二俣付近から暫くは、まだ太陽が当たっていなくてちょっと薄暗い中を下っていく。
ぐいぐい下がっていって、白根御池小屋への道の分岐付近から、また日が当たり始めた。
そして、その辺りからすんばらしい紅葉が全開!輝く黄葉と木漏れ日の中、楽しく楽しく歩いたよ。
そしてコースタイムよりかなり早いペースで広河原まで着いちゃった。
バスの時間まであと1時間以上ある。
という訳で、いつも気になってたけど行ったことは無かった広河原園地の方に行ってみたよ。広河原山荘の手前の分岐で右へ行くコースです。
ここが、本当に素晴らしかった!!天国みたいなところだった。静かな林の中に小道がついていて、木々の向こうに野呂川が煌めく。
野呂川の向こう岸に、バス乗り場広場が見える。
広河原ロッジの跡地。この園地にはオイラの他にはだーれもいなかった。
奈良田への「県道南アルプス公園線」への道。崖崩れのため、今シーズンは通行止めになっちゃってます。電光掲示板に「車両通行止め」って出てるよ。
このバスに乗って、芦安駐車場に戻ります。
広河原園地には全く人影が無かったけど、今のバス乗り場はアルペンプラザからかなり川下にあるんで、広河原園地から回っても殆ど遠回りにはならないよ。みんなもぜひ通ってみて!
途中、夜叉神トンネルの手前で、すれ違い待ちがあったので、降りて写真を撮ったりした。観音経渓谷の辺りかな?「天皇皇后野点の碑」のあるとこ。
そしてびっくりしたのが、背後の崖にロッククライミングみたいにして工事の人たちがぶら下がってたこと(写真には写ってないよ)。バスの車掌さんが「ここのノリ面も工事するんだな」って言ってた。こうゆうとこの工事って、大変なんだなー。(でも、工事をしちゃうと、この綺麗な崖がコンクリとかで塞がっちゃうのかな?)。
芦安では、前から気になってた「南アルプス芦安山岳館」に行ってみた。まだ出来て間もない新しい建物。でもお客はオイラの他に2人だけ・・・。
ここは面白かった。まー、林道や治山工事については、自然を守るために必要なんだという論調だったけどね(お役所がつくった施設だからそれはしょうがないでしょう)。入館料は200円。
芦安って、来るたびに「ここに昔から住んでる人たちって、どうやって暮らしてたんだろう?」って疑問だったんだけど、それが解けた。
やっぱり林業をメインにしていたらしいんだけど、びっくりしたのが男の人と女の人の仕事の分担。主に男の人達が山の麓の作業小屋で仕事をして(広河原とか両俣とか何箇所も小屋があったらしい)、女の人達は芦安の集落と作業小屋の間を荷物を運んで往復していたんだって。でも、芦安と広河原の間って、バスで1時間以上かかるんだよ?今みたいな立派な道も無いだろうし、そこを何十キロもの荷物を担いで行ったり来たりしていたそうで、本当にすごいです。 尊敬するよ。
そのほか、芦安の山案内人の人たちの紹介パネルとか、昔あったトロッコ道の資料とかいろいろ興味深い展示があって、図書室も充実していて、ここはかなり面白いところでした。
あと、古いほうの三角点も展示してありました。結構ボロボロになってた。お疲れさんです。
帰りは、いつものように「天笑閣」でひとっ風呂浴びて帰った。渋谷とかにいそうなギャルが何人もいてびっくらこいた。
とゆうわけで、一日目は全く人に会わない厳しい道で南アルプスの最深部を体験し、二日目は綺麗な景色や紅葉を楽しんで歩けた充実した北岳でした。
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